生産計画はExcelでも始められます。受注ごとの納期と工程、使える設備・人の時間を同じ単位で並べ、進捗を更新できれば、まず計画と実績の差が見えます。Excelというだけで限界とは決まりません。 誰がいつ更新し、変更を受けた人が何を見て判断するかが決まっていないと、表が増えるほど最新の予定が分からなくなります。
中小機構にはExcelのガントチャートによる予実管理の支援事例もあります。最初から大きなシステムに移す前に、今の表で何が判断でき、どこで止まるかを確認します。
Excelで作る最小の生産計画表
1行を「1つの受注の1工程」に決めます。製品だけを1行にすると、加工待ちと検査待ちを分けて見られません。最低限、次の列をそろえます。
| 列 | 記入例(架空) | 確認すること |
|---|---|---|
| 受注番号・製品コード・数量 | O-101、P-01、20個 | 名前が変わっても同じ案件を追えるか |
| 工程・設備・担当 | 加工、M-1、A班 | どの場所の負荷に入れるか |
| 納期・計画開始/完了日 | 10/9、10/5〜10/7 | 後工程の時間を残しているか |
| 1個あたり標準時間・段取り時間 | 30分、2時間 | 必要時間を同じ単位で足せるか |
| 実績数量・最終更新日時 | 8個、10/5 16時 | 計画変更に使える新しさか |
| 状態・変更理由 | 加工中、材料入荷待ち | 遅れの理由を代理者が追えるか |
説明用の例で、P-01を20個、加工に1個30分、段取りに2時間かかるなら、必要な加工時間は20×0.5+2=12時間です。同じ設備に別の仕事が24時間あり、今週使える時間が30時間なら、合計36時間で6時間分の超過が見えます。残業、外注、順番の変更が可能かは、この数字だけでは決まりません。納期と材料の入荷、人員を確かめて担当者が判断します。
Excelを続けられるかのチェック
| 起きていること | 先に直すこと | 別の仕組みを検討する目安 |
|---|---|---|
| 予定表が複数ある | 正本ファイルと更新担当を決める | 同じ受注を何度も転記している |
| 計画と現場の進捗が違う | 実績の記入時刻と更新頻度を決める | 更新を待つ間に納期回答が止まる |
| 負荷が設備ごとに見えない | 工程・設備コードと標準時間をそろえる | 受注追加のたびに全表を手作業で集計する |
| 変更の理由が残らない | 変更日、変更者、理由を残す | 代理者が前の計画に戻せない |
| 材料不足を当日知る | 在庫と入荷予定を計画に突き合わせる | 計画変更を購買・現場へ伝え漏らす |
Excelを続ける場合も、表をきれいにするだけで解決しない項目があります。複数人が同時に判断するなら、最新版の共有、変更履歴、承認の担当を決めます。逆に、一人の担当者が定期的に更新でき、計画と実績の差をすぐ説明できるなら、急いで置き換える必要はありません。IPAの中小規模製造業のDX事例調査にも、Excelで工程情報をデータ化する段階が紹介されています。
システムへ移す前に決める範囲
受注、製品、工程、設備、在庫を一度に移す必要はありません。まず「追加受注が来たときに、どの工程の負荷と材料を確認したいか」を決め、必要なデータの出どころを並べます。前工程が遅れたとき、後工程と納期へ誰が連絡するかも決めます。
becon は在庫、設備や人の負荷、製造予定を同じ判断の中で確認できるようにするサービスです。既存のERPや販売管理システムとの自動連携開発は標準範囲に含まれません。いまのExcelを見ながら、どこまで整えれば納期回答や進捗確認に使えるかは、無料の現場診断で一緒に整理します。
